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好調の中小企業は「金利ある世界」を生き抜けるか 利上げなら負担増、メインバンクの伴走がカギ

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利上げなら利払い膨張は不可避。メインバンクの伴走がカギに。

上空から見た日本銀行本店
日銀が追加利上げを行えば、中小企業の金利負担が増しそうだ(撮影:尾形文繁)

特集「中小企業 大廃業時代の処方箋」の他の記事を読む

後継者不足や事業環境の悪化で廃業リスクが高まる日本の中小企業。一方、M&Aを契機とした業績回復や海外挑戦といった明るい動きも見られる。
『週刊東洋経済』5月25日号の特集は「中小企業 大廃業時代の処方箋」。中小企業の新たな生き方を探る。
週刊東洋経済 2024年5/25号(中小企業大廃業時代の処方箋)[雑誌]
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日本にもいよいよ「金利ある世界」が訪れようとしている。

日本銀行は3月にマイナス金利を解除したが、市場関係者は年内にも追加利上げがあると見込む。市場金利が上昇すれば、いずれは企業の借り入れ負担にも跳ね返る。膨らむ利払いに対応できるよう、経営体質の改善が急がれる。

「金利ある世界になると、新規の借入金利だけでなく、既存の借り入れの返済負担も増加が見込まれる。中小企業の中でも財務基盤が弱く、借り入れ依存度が高いお客様には、十分留意する必要がある」

4月に開かれた、全国銀行協会の記者会見。新たに会長に就任した三井住友銀行の福留朗裕頭取は、金融情勢が中小企業に与える影響に言及した。

利払い増で赤字転落も

今のところ、中小企業の業績は好調だ。財務省の法人企業統計調査によれば、2022年度の純利益は12.6兆円と、高水準で着地した。一方、金融緩和政策が本格化した12年度と比較すると、中小企業の借入金利は低下し続けている。金利負担の軽減が、好業績の演出に一役買っている。

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