利上げなら利払い膨張は不可避。メインバンクの伴走がカギに。
日本にもいよいよ「金利ある世界」が訪れようとしている。
日本銀行は3月にマイナス金利を解除したが、市場関係者は年内にも追加利上げがあると見込む。市場金利が上昇すれば、いずれは企業の借り入れ負担にも跳ね返る。膨らむ利払いに対応できるよう、経営体質の改善が急がれる。
「金利ある世界になると、新規の借入金利だけでなく、既存の借り入れの返済負担も増加が見込まれる。中小企業の中でも財務基盤が弱く、借り入れ依存度が高いお客様には、十分留意する必要がある」
4月に開かれた、全国銀行協会の記者会見。新たに会長に就任した三井住友銀行の福留朗裕頭取は、金融情勢が中小企業に与える影響に言及した。
利払い増で赤字転落も
今のところ、中小企業の業績は好調だ。財務省の法人企業統計調査によれば、2022年度の純利益は12.6兆円と、高水準で着地した。一方、金融緩和政策が本格化した12年度と比較すると、中小企業の借入金利は低下し続けている。金利負担の軽減が、好業績の演出に一役買っている。
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