国は中堅企業の一段の成長により地域全体の賃金水準向上を狙う。
後継者不足や事業環境の悪化で廃業リスクが高まる日本の中小企業。一方、M&Aを契機とした業績回復や海外挑戦といった明るい動きも見られる。
『週刊東洋経済』5月25日号の特集は「中小企業 大廃業時代の処方箋」。中小企業の新たな生き方を探る。
2024年は中堅企業元年──。
国は中堅企業約9000社を地域経済の牽引役と見定め、成長促進を目指し動き始めた。
経済産業省は今国会に提出している産業競争力強化法の改正案で、中小企業を除く従業員数2000人以下の企業を中堅企業と新たに定義した。
従来は従業員数や資本金が中小企業の要件に該当しない企業は形式上大企業とされた。中小企業と大企業の狭間で中堅企業向けの振興策が十分だったとは言いがたい。
それでも過去10年間の国内設備投資額では、大企業の7000億円に対し、中堅企業が1.5兆円と2倍を超え、同期間の給与総額の伸び率も大企業の12%に対し、中堅企業が18%と上回った。大企業が海外投資を増やす中、中堅企業は国内経済への貢献度が高いことに国は着目した。
国が期待する好循環
地域の屋台骨を担う中堅企業の収益が拡大すれば、取引先や周辺企業への波及も含め、地域全体の賃金水準の引き上げにつながる。そんな好循環を国は期待する。
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