独自の戦略を武器に海外に活路を見いだす中小企業が続々。
少子化が進み、国内市場が縮小する中、海外に打って出る中小企業がある。
日本の伝統品である「帆前掛け」を専門に製造するエニシング(東京都港区)は、世界30カ国で年間約10万枚を売り上げる。その前掛けは2021年公開の映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にも登場した。
西村和弘社長は「前掛けは分厚く、素材も綿で丈夫なので、仕事着のイメージが強い。しかし海外の人の発想は自由で、高級フレンチのシェフが使っていたりする。デザイン性や品質のよさが海外の人から評価されている」と語る。
「日本の魅力を海外に伝える仕事がしたい」と00年に脱サラし、漢字Tシャツの販売を始めた。「とくに売れると思っていたわけではなく、ラインナップを増やそうと、04年からオーダーメイドの前掛けの販売も始めた」そうだ。オーダーメイドで前掛けを作れる店はほかになく、数百枚単位の注文が入るなど徐々に販売を伸ばしていった。
職人たちとの出会いがきっかけ
05年に前掛けを作る愛知県豊橋市の職人たちに出会ったことが、前掛け専門店に転換するきっかけだ。
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