中小企業のM&A増加に伴いトラブルも相次ぐ。業界団体であるM&A仲介協会の荒井邦彦代表理事(ストライク社長)に見解を聞いた。

荒井邦彦(あらい・くにひこ)/M&A仲介協会 代表理事(ストライク 社長)。1994年一橋大学卒業。監査法人に公認会計士として勤務後、1997年ストライク設立。2022年3月から現職(撮影:今井康一)
後継者不足や事業環境の悪化で廃業リスクが高まる日本の中小企業。一方、M&Aを契機とした業績回復や海外挑戦といった明るい動きも見られる。
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M&A仲介業界はこれまで(所管する)法律がなく伸び伸びと成長してきた。一方で新規参入も増え、一部の業者があまり質の高くない仕事をしてトラブルに発展しているケースもある。
業界として一定のルールを決めてやるべきだというステージに入っている。昨年12月には自主規制ルールを策定し、現在は会員企業に対し浸透を図っているところだ。
仲介取引に伴う報酬が「わかりにくい」という批判に関しては、どの段階でどんな手数料がかかるか、重要事項説明書に明記することをルールで求めている。
「金額が高い」という指摘もあるが、フルサービスかマッチングのみかなど、提供するサービスに応じて異なる。
金額への批判はおそらく報酬と得られる対価が釣り合っていないことに対してだ。そこは各業者間の適正な競争を通じて、サービス品質を引き上げていくことが大事だ。
資格制度は当然あってしかるべき
その点で資格制度は当然あってしかるべきだ。
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