「何が普通なのか」がみんな気になる
――ハーバード大学が幸福に関する研究を85年も続けているのは驚きです。
この研究がまだ続いているのは、ある意味偶然なんです。この種の長期にわたって人々を追跡する研究のほとんどは、10年を経過する前にやめてしまいます。脱落する被験者が多いからです。
私たちの研究は、85年もの間、十分な人数を維持し続けたという点で、まったく異例なものです。しかも、当初の対象者のうち22%しか脱落していません。
ハーバード大学が興味を示しているのは、もともとの被験者の約3分の1がハーバード大学の学生だったからであり、この種の研究の中で最長のものだからです。科学的にも非常に珍しい研究なんです。
――この本は世界中で読まれているそうですが、各国でここまで孤独について関心が高いのはなぜでしょうか。
自分や人の人生でどんなことが起きているのか、それを知りたい人が多いのではないでしょうか。
他の人はどんな人生を送っているのか、自分は人に比べていい人生を送っているのかを知りたいのです。私たちは最初の被験者724人だけでなく、その家族も含めて1000人以上の人々を長年にわたって調査し、さまざまな生き方を見てきました。多くの人はそれに興味があるのだと思います。
よく受ける質問に、「何が普通なのか。どんなふうに生きるのか普通なのか」「こういう生き方をしたら不幸になるのか」というのがあります。
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