孤独の大家が語る「人が80代になって後悔する事」 多くの人は「何が普通なのか」を気にしている

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――それで満足ですか?

とても幸せです。だって今となっては、私がどれだけ多くの科学論文を発表したかなんて、どうでもいいじゃないですか。

アメリカには今、とても参考になる格言があります。それは、「20年後、あなたが会社で遅くまで働いたかどうかを覚えているのは、あなたの子どもたちだけだ」というものです。

――この研究をしたことで、先生の人生に影響を与えたことは他にありますか?

人生には実にさまざまな生き方があることを知りました。私がどれだけ賞を取ろうが、どれだけお金を稼ごうが、誰も気にしない、ということです。

もちろん仕事は重要ですし、私は自分の仕事をとても大切にしています。でもそれは例えば、仕事で何か賞を得よう、と努力しようということとは違います。賞を取ったってそんなこと誰も気にしないのですから。

多くの女性が晩年後悔すること

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――著書の中ではいかに若い世代が有名になることを重視しているかが出てきますね。

今の名声とはすなわち、ソーシャルメディアにおけるインフルエンサーです。それが自分の人生を左右すると考えているのです。ただし、SNSの問題はほとんどが「作り上げられたもの」だということです。

10代や20代ならそう思っても仕方ないかもしれません。ただ、80代の被験者に話を聞くと、多くの人、特に女性が「他人の目を気にすることに時間を費やさなければよかった」と話します。

他人が自分のことをどう思うか、他人が何かについてどう思うかを気にしなければよかった、彼らの人生ではなく、自分の人生を自由に生きればよかった、と。

若い人たちにはこのことを知ってもらいたいと思います。他人があなたのことをどう思うのかなんて結局のところどうでもいいということです。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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