シャ乱Qとして「シングルベッド」「ズルい女」などのミリオンセラーを連発、「モーニング娘。」のプロデューサーとしても「LOVEマシーン」が176万枚以上のセールスを記録し、「歴代作曲家シングル総売上ランキング」(2020年オリコン調べ)でも歴代5位にランクインしているつんく♂氏。「天才」と評されることもあるが、「僕は天才ではなく凡人。でも、凡人だからこそ、天才を凌駕できる」という。
つんく♂氏が3年かけて「自分の中に眠れる才能を見つけ、劇的に伸ばす方法」をまとめた新刊『凡人が天才に勝つ方法』が反響を呼んでいる。
インタビュー第1弾に続き、この本に込められた思い、「LOVEマシーン」ヒットの裏側、つんく♂楽曲に通底するもの、令和という時代や「推し活」をどう見ているか――。1時間半にわたり語り尽くした(前中後編の後編)。
前編:つんく♂が今、「モーニング娘。」に伝えたいこと
中編:つんく♂楽曲のすべてに通底する「本質」とは何か
前編:つんく♂が今、「モーニング娘。」に伝えたいこと
中編:つんく♂楽曲のすべてに通底する「本質」とは何か
99.999%の人たちにチャンスがないわけない
――今の社会について、『凡人が天才に勝つ方法』には「今は超バランス型人材の時代」と書かれています。
僕が記憶している日本の「スター」というのは、高度成長期の中、人口もどんどん増えている社会の中で、誰もが認める才能や天才を見つけ出す、そんな世界だったように思います。
芸能界に限らず、スポーツ界でも、芸術の世界でも、突き抜けた才能が世間を圧倒し時代を引っ張っていくような時代でした。美空ひばりさんや、山口百恵さん、王貞治さんに、岡本太郎さんなどなど、他を寄せつけない飛び抜けた能力ってやつに、庶民は憧れ応援してきたわけです。
ただ、90年代にバブルが弾け、日本は世界で一番すごい国かもしれない!と錯覚していた時代が終わり、皆が少し冷静になったころ、ふと考えるようになりました。「他を寄せ付けない天才」以外の99.999%の人たちには何もチャンスがないものなのだろうか、と。
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