いったん、クールダウンしなきゃヤバいなと思ったのも、ハワイに行った理由として大きいです。大きな病気をしたし、何かにのめり込みすぎるのがよくないとはわかった。あのまま日本にいたら、僕はやっぱりまた根を詰めるだろうし、休むことを忘れて戦い続けてしまうと思う。
日本を客観的に見られるようになった
――仕事の仕方を意識的に変えられたのですね。『だから、生きる。』では、体を大切にすることがいかに重要かが強調されています。
それは本当にそうです。でも人間なんてだいたい自分に甘いから、そんなにうまくはいかない。コンビニに行ったらおいしいものがどっさり売ってるし。
ただ、ハワイに移って環境が変わってから、ある部分では冷静になったかな。ハワイって基本的に田舎の島なので、不便なんですよね。だからいいのかもしれない。そしてその分、日本を客観的に見られるようになった。
日本人は職人気質、あるいは職人技というのか、何を作らせても本当にみんな上手です。ただ多くの人がシャイだから、交渉ごとなどは下手なのかもしれません。英語が弱いのも、もったいない。僕も7年住んでいても英語はチンプンカンプンだし。日本人みんなが普通に英語を話せたら、また世界一になれそうな気がするんだけどなぁ……。
――街中の店で働く人の仕事ぶりなども、ハワイと日本とでは結構違いますよね。
全然違う。スーパーのレジもゆっくりだし、打ち間違いも多いし。家の水漏れを修理してもらうために業者を呼んだ時には、直ったと思って2、3日過ごしたらやっぱり直ってなかった、なんてこともありました。
修理のクオリティー以前に、なかなか業者がつかまらない。東京のように電話して「1時間後に伺います」なんてことはありえない。2〜3日は来ないんですもん。そもそも技術者も少ないんですよね。
ハワイに住み始めた頃は「ありえない!」「なんでやねん!」と思っていたけれど、今では「このまったりした感覚で暮らしていくからええのかもね」と思うようになりました。僕はそのまったりした感覚のためにハワイに住んでるんだ、ってね。
ハワイでアイドルグループ?
――これからもハワイに住み続けるのですか。
それは決めない。決めたらしんどくなるから。今は焦らないようにと思っています。
ハワイで暮らしていると、日本ってものすごくちゃんとしているなと思います。その分、日本は何でもかんでも「右に習え」という面もあって、もっと個性を出してもいいのに、と思うこともあります。
一方、「ハワイやアメリカでグループを作れば?」とはよくいわれるものの、アイドルグループはアメリカではまず成立しないと思う。一旦出来上がったとしても、長続きしないんじゃないかな。
アーティストになりたいということは、自分の表現したいことがあるわけです。そう考えるアメリカの若い子たちが、誰かと足並みを揃えて同じように活動する、なんてことは2年も続かないように思います。
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