「推し活」全盛時代に、つんく♂が思い描く未来 グループアイドルの形は進化していくはずだ

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――『凡人が天才に勝つ方法』には、令和になって時代が変わってきたと書かれています。芸能、エンタメの世界にも変化がありましたか。

コロナ前と今とでは全然違う。音楽の世界も変わりました。

とくにアイドルの世界では、コロナ前は音楽を作りCDを買ってもらうために握手会や撮影会のようなイベントが日々行われていた。それらが一斉に止まったことは、日本の音楽業界全体に大きな影響を与えた。CDの売上枚数が見えなくなったんです。

維持できなくなったアイドル事務所やアイドルグループも多いです。いつの間にか解散していたり。以前はCDを買って握手会やチェキ会(インスタントカメラを用いた撮影会)に参加することが生活のルーティーンだったアイドルファンの人にとっても、そのルーティーンのすべてが止まった。

ようやくコロナが明けてファンたちが動き出した頃には、グループが解散したり、活動を休止していたり。肝心の「推す」対象がなくなっていた、という経験をした人もいる。

ちなみに「推し」はこの数年で急激に普及した言葉だけれど、それが指すもの自体は、音楽の世界にはずっと存在していました。

40年前から「推し活」と同じものはあった

――どういうことでしょうか。

記憶する限り、僕が中学生の頃もアイドルの握手会はありました。新曲リリース時のキャンペーンとして、スーパーのイベント広場なんかで握手会やサイン会が開催されていたのを記憶しています。40年前から同じものはあったわけです。

違いとして大きいのは、当時のレコード業界は握手会をするために音楽を作っていたわけではなかった、という点ではないでしょうか。

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