シャ乱Qとして「シングルベッド」「ズルい女」などのミリオンセラーを連発、「モーニング娘。」のプロデューサーとしても「LOVEマシーン」が176万枚以上のセールスを記録し、「歴代作曲家シングル総売上ランキング」(2020年オリコン調べ)でも歴代5位にランクインしているつんく♂氏。「天才」と評されることもあるが、「僕は天才ではなく凡人。でも、凡人だからこそ、天才を凌駕できる」という。
つんく♂氏が3年かけて「自分の中に眠れる才能を見つけ、劇的に伸ばす方法」をまとめた新刊『凡人が天才に勝つ方法』が反響を呼んでいる。
インタビュー第1弾に続き、この本に込められた思い、「LOVEマシーン」ヒットの裏側、つんく♂楽曲に通底するもの、令和という時代や「推し活」をどう見ているか――。1時間半にわたり語り尽くした(前中後編の中編)。
ここで待っていても順番は回ってこない
――前編で話に出た「LOVEマシーン」では、それまでのモーニング娘。の路線、「サマーナイトタウン」や「抱いてHOLD ON ME!」のような大人っぽい曲を歌っていたときとは方向性がガラッと変わります。その後の「恋のダンスサイト」や「ハッピーサマーウェディング」も明るい曲でした。
僕もいろいろチャレンジしたけど、「サマーナイトタウン」や「抱いてHOLD ON ME!」のときは、どこかまだ、「この時代の中ではこの路線だろう」というラインを追いかけていたところがあった。一定の成果は上がったけれど数字が頭打ちになって、もうこれ以上ここで待っていても順番は回ってこないなと思った。
かといって気をてらうように別の方向に切り替えようとしたわけではなく、「今のこのメンバーでの最高到達地点は何だろう」と考えた。
当時、チャレンジをする中では、うまくいったり、うまくいかずに言い訳したりもしましたが。例えば「モーニング娘。」以外でいうと「太陽とシスコムーン」というグループもありました。
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