目下の親パレスチナ抗議活動と1968年のベトナム反戦学生デモの類似性に多くの識者が着目する中、イタリアの哲学者フランコ・ベラルディはある重要な違いを指摘している。68年のデモ参加者は、少なくとも言葉のうえではベトコンの反帝国主義的立場や、より広範で前向きな社会主義的取り組みにはっきりと共鳴していたのに対し、現在のデモ参加者がパレスチナ武装勢力ハマスに共鳴することは極めてまれだ。現代のデモ参加者はハマスではなく、「絶望に共鳴している」のである。
「絶望」の実体
ベラルディが述べているように、「絶望はパレスチナ人に対する若者の幅広い共鳴を説明する心理的、文化的特徴だ。現代の学生の大多数は自覚しているかどうかは別にして、自分たちの生活環境は悪化の一途をたどると考えている。気候変動は元には戻せず、戦争は長引き、核の雨の危険が迫る……」。
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