双方の死者は2万人に近づく。
パレスチナ自治政府ガザ地区を実効支配しているイスラム組織ハマスが、イスラエルに対して大々的な攻撃を始めたのが2023年10月7日。この数年、平穏だった中東情勢が動き始めた瞬間だった。
人質を盾に攻撃を続けるハマスに対し、イスラエル国軍はガザ地区を着々と占領。同時に、双方の死者は2万人に近づこうとしている。
ハマスが攻撃を始めた理由ははっきりしないが、イスラエルとアラブ諸国との和解が進む中、存在感を示そうとしたとの指摘がある。実際、ハマスが攻撃を始める前は、イスラエルとアラブの雄・サウジアラビアとの国交正常化交渉が行われているとされた時期でもあった。
バイデン政権は中東への関与には消極的
イスラエルはエジプトとヨルダンとの国交を正常化していた。また、20年にはUAE(アラブ首長国連邦)やバーレーン、スーダン、モロッコと相次いで国交を結んだ。大国サウジアラビアとの国交を正常化すれば、アラブ世界におけるイスラエルの立場が大きくなるのは間違いなかった。
イスラエルと米国は同盟国の関係にあるが、現在のバイデン政権は前のトランプ政権よりイスラエル、中東への関与には消極的だ。一方、米国と敵対するイランは、ハマスやレバノン南部に勢力を置くシーア派武装組織・ヒズボラを支援している。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら