死者数だけが増えている。

ウクライナの平和回復を望む声は強いが、実現は遠い(写真:ZUMA Press/共同)
鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
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開戦から間もなく2年を迎えるロシア・ウクライナ戦争。決定的な戦局の変化はなく、死者数だけが増えている。
両軍併せてすでに50万人以上の戦死者が出ているという推計がある。ウクライナ政府は「戦死者数は国家機密」としているが、同国の民間団体は2023年11月中旬、3万人超と発表している。ロシア軍も具体的な戦死者数を発表していないが、ウクライナの「キーウ・インディペンデント」紙は、ロシアの戦死者は約33万人と報じている。
23年9月、ウクライナ軍は「反転攻勢」をかけるとし、ロシアが実効支配しているウクライナ南部にあるクリミア半島への攻撃を開始した。主要戦地である東部ドンバスでも失地を回復しつつあると攻勢に自信を見せていた。
ウクライナに悲観論
ところが23年11月、ウクライナ軍のザルジニー総司令官が、英『エコノミスト』誌への寄稿やインタビューで、「戦況は膠着している」と発言し波紋を呼んだ。「自軍の侵攻は計画どおりに進んでおらず、第1次世界大戦のように陣地戦に陥る可能性が高い。長期戦になれば、国力に勝るロシア軍が有利になる」とも述べた。
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