焦点は物価上昇率の下がり幅だ。
2021年から続く物価上昇の起点は、円安と資源価格高騰による輸入物価上昇だった。
「国内への価格転嫁の動きは想定より強く、長引いている」(美和卓・野村証券経済調査部長)が、その輸入物価はすでに前月比で下落に転じており、24年には為替の円高転換も見込まれる。
東洋経済エコノミストアンケート(23年11〜12月実施)でも、物価上昇率が次第に下がる見通しはエコノミストに共通するが、問題は下落後にどの程度で着地するのかだ。回答者の間でも、見方は分かれる。
斎藤太郎・ニッセイ基礎研究所 経済調査部長は、連合が春闘で前年(賃上げ3.6%)の目標「5%程度」を上回る目標「5%以上」を掲げたことを踏まえて、「労働組合の要求により、24年春闘の賃上げ率は4%に達する」と予想する。賃金上昇を反映して、サービス価格は2%半ばまで上昇、「インフレが行き過ぎるリスクも芽生えてきた」(斎藤氏)。
西岡慎一・日本総合研究所 マクロ経済研究センター所長も、人手不足が一段と深刻化し、物価がかえって上がるリスクを挙げる。
カギを握る消費動向
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら