有料会員限定

2024年の日銀「絶対に失敗できない」意思決定 過去2回の利上げは"早すぎた"と批判浴びる

✎ 1〜 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

植田総裁はどう動くか。

会見する日銀の植田総裁
植田総裁は4月にマイナス金利解除に踏み切るか(撮影:今井康一)

特集「2024大予測|経済・政治編」の他の記事を読む

鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。
週刊東洋経済 2023年12/23・12/30新春合併特大号(2024大予測)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年12/23・12/30新春合併特大号(2024大予測)』。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

日本銀行は、2024年春闘での賃上げの状況を受けて、4月にマイナス金利解除=利上げを行うとの見方が大勢だ。

年8回の金融政策決定会合のうち、大きな政策変更は1・4・7・10月に行われる可能性が高い。「展望レポート」で物価見通しを示すからだ。これまでの日銀の発信に沿えば、「賃金上昇を伴う形で2%の物価上昇目標が持続的、安定的に実現する見通し」が立ったと判断したうえで、金融政策の枠組み転換に踏み切ることになる。

「日銀にとってマイナス金利解除はシンボリックな意味を持つ。絶対に失敗できない大きな意思決定だ」と元日銀理事の門間一夫氏(みずほリサーチ&テクノロジーズエグゼクティブエコノミスト)はみる。ゼロ金利導入以降の25年間で日銀が利上げした局面は、2回ともその後に世界景気が後退し、「早すぎた」と批判を浴びた。

金融環境の大転換

マイナス0.1%からゼロにすること自体は「0.1%の利上げ」にすぎず、金融市場へのインパクトも限られる。問題はその先だ。

「安定的・持続的に物価2%」といいながら政策金利がゼロのままでは、大幅な緩和状態が続いてしまう。そのため、景気に対して緩和でも引き締めでもない水準といえる2%近くまで引き上げていくことになる。この25年間、0.5%に達したのは07年以降の1年半程度で、金融環境の大転換となる。

関連記事
トピックボードAD