2024年の日本政治はどうなるか。
鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。
2023年、岸田文雄首相は通常国会と10~12月の臨時国会で衆議院の解散・総選挙を企図したが、2回とも不発に終わった。「解散できない首相」のレッテルが定着しそうな情勢である。
衆議院議員の任期満了は25年10月だが、岸田首相は1年前の24年9月に1期目の自民党総裁任期の満了を迎える。総裁選挙の前に衆議院総選挙を実施して勝利を握れば、「国民の信を得た首相は交代させられない」という空気が支配的となる。「総裁選前の解散」は首相の総裁再選戦略であった。
23年の解散見送りは、内閣支持率の低落が大きく響いた。11月の調査では軒並み「政権発足後の最低支持率を更新」という状態だ。
国民の期待感の消滅
不人気の主因は国民の期待感の消滅だろう。掲げる政策・路線の中身と、首相自身のやる気が問われているのに、明確ではない。
1つは、持論の「新しい資本主義」だ。11月28日の報道関係者の集まりでのスピーチで「30年ぶりのデフレ脱却のチャンス」「新しい日本経済のステージ」と唱え、「今、明るい兆し」と岸田内閣の経済政策を自画自賛した。なのに、看板と標語だけで、具体的な取り組みでは本気度が見えない、という批判も根強い。
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら