「派閥とカネ」問題で窮地の岸田首相だが、自民党総裁再選の意欲は依然強い。三重苦を克服できるか。
岸田文雄首相が1月19日、国会の開会を前に、2012年から2023年暮れまでずっと会長の座を握り続けてきた宏池政策研究会(岸田派)の解散を明言した。原因は2023年11月に噴き出した「派閥とカネ」問題である。
2024年、内閣支持率の低迷、2023年の2度の衆議院解散の不発、派閥パーティー収入還流による裏金問題という三重苦を背負って、首相は在任3回目の新年を迎えた。「不人気内閣」「解散できない首相」「問題噴出まで岸田派会長にこだわり続けた派閥リーダー」のイメージが人々の間に広がっている。
三重苦にもかかわらず、岸田首相は「絶対辞めない」と漏らしているという。目標は9月に控える1期目の自民党総裁任期満了時の総裁再選とみて間違いない。
それには三重苦の克服が必須要件だが、容易ではない。
「首相として賞味期限切れ」の声も
支持率下落は2023年7月から続く。大きな失政や失策はないが、成果や実績も乏しく、「首相として賞味期限切れ」と受け止める声が拡大したとみられる。
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