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不動産不況に苦しむ中国2024年の「最重要課題」 経済成長率の低下に加えビジネス環境も悪化

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発展モデルの限界があらわになった。

会見する習近平主席
訪米中の夕食会で経営者たちに互恵関係の構築を訴えた習近平主席(写真:ロイター/アフロ)

特集「2024大予測|経済・政治編」の他の記事を読む

鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。
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2023年は、中国の高度成長を支えた発展モデルの限界があらわになった年だった。その苦境からの出口は、なお遠い。

状況を端的に映すのがマネーの流れだ。国家外貨管理局によれば、中国への直接投資は23年7〜9月期に、統計開始以来初めて前年同期比で純減した。外資による中国への投資が減る一方、国内企業の対外投資が活発になった結果だ。

中国政府の危機感は強い。「世界の未来には、中国と米国の協力が必要だ」。11月に訪米した中国の習近平国家主席は、アップル、テスラなど米大企業の経営者を集めた夕食会に出席。両国がともに日本と戦った歴史に言及しつつ、互恵関係の構築を訴えた。

「国家安全」実現のために経済が犠牲に

24年11月の米大統領選挙が迫るにつれ、バイデン政権の対中姿勢が厳しくなるのは避けられない。習主席は、緊張が緩んだ今のうちに対中投資の拡大を呼びかけておきたかったのだろう。

中国への投資が細っている背景には、経済成長率の低下に加え、ビジネス環境の悪化がある。

「反スパイ法」による駐在員の拘束や中国への強制的な技術移転などのリスクが企業から警戒されている。米中対立を勝ち抜いて共産党体制を維持するという「国家安全」実現のために経済が犠牲になっているのだ。中国の民営企業の間でも、制裁関税を回避して対米輸出を続けるために生産拠点を国外に移す動きが活発だ。

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