日本に深い傷を残した「バランスシート不況」が中国を襲っている。
1990年代初頭の不動産バブル崩壊を機に、経済の長期停滞に苦しんだ日本。中国は日本と同じ道をたどるのか。
バランスシート不況という言葉を生み出した伝説のエコノミスト、リチャード・クー氏と、練達のチャイナウォッチャーである津上俊哉氏が中国経済の前途を語り尽くす。
──中国経済の現状をどう見ていますか?
クー 6月末に、香港で中国経済について講演を行った。バブル崩壊後の日本と同じように、「バランスシート不況」に陥らないように中国は早く手を打つべきだ、と話したところ、動画が流出してあっという間に100万回再生された。
その後、中国に行く機会が2回あったが、やはり現地のエコノミストの危機感は非常に強い。
学者、経済界が危機感
バランスシート不況は、不動産をはじめとした資産価格が大きく下がり、将来も上がらないという状況から始まる。GDPが伸びるには、誰かがお金を借りて自分の収入以上に使わなければいけないが、みんな貯金ばかりして、デフレ経済に入っていく。
習近平に言わせれば構造改革なのかもしれないが、不動産をはじめさまざまな規制を強化して、本当に将来は大丈夫なのかと、学者、経済界が危機感を持っている。
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