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イメージが先行しバーチャル化する中国経済観 安直な「日本化」論は経済のリアルを見失わせる

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上海の南京路を訪れる観光客と買い物客
(写真:Qilai Shen/Bloomberg)

中国経済の「日本化」が経済論壇のバズワード(意味があいまいな流行語)になっている。筆者も繰り返し論じてきたテーマだが、この概念には慎重に扱う必要を感じる。そもそも日本化の定義は論者によりまちまちだ。長期にわたる低成長を指す人もいれば、不動産不況とデフレのセットをそう呼ぶ向きもある。少子化、高齢化など人口動態も併せて論じることが多い。確かにバブル崩壊後の日本と重なる要素は多く、中国の現状を捉えるには便利だ。

とはいえ、相違点も多い。中国は全体としてみれば中進国である。成長率が鈍化したとはいえ、来年も4%程度の成長は見込める。また1人当たりGDP(国内総生産)が先進国並みの北京から、その3分の1にも満たないチベット自治区まで地域間の格差は日本の比ではない。まだ成長の余地はあると考えるのが自然だ。

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