中国経済がスベったのは日本化できなかったから 習近平は成長を政治理由で鈍らせてしまった

拡大
縮小
目覚ましい成長を遂げてきた中国経済が失速した原因はどこにあるのか(写真:2023 Bloomberg L.P.)

奇跡的な成長を遂げた中国経済の墓石には、「習近平による夭折」と刻まれるだろう。

すべての高成長国は豊かになるにつれて成長が鈍化する。だが、中国の習近平国家主席が自らの政治的目標のために経済成長を犠牲にすることは、国際通貨基金(IMF)が中国の成長率を2028年までにわずか3.5%(80カ国中13位)に失速すると予測している理由である。エコノミストの予想を困難にする、金融破綻が起きれば、中期的な成長率はさらに低下するだろう。このような転換点では予測は難しい。

(注)1人当たりGDPは2017年の購買力平価(PPP)ドルで測定されており、為替レートや物価の変動による歪みを回避している

消費へのシフトができていない

不動産バブルの根本的な原因は、国民所得に占める賃金の割合が低すぎること、つまり消費の割合も低すぎることだ。中国は何年もの間、GDPの45%を投資にあてていた。しかし、発展するにつれて投資の必要性は低下し、消費にシフトする必要が出てきた。

中国の指導者たちはこのことを認識していたが、消費へのシフトを実行することはなかった。それどころか、「誰も住まないアパート」を建設し始め、その過程で負債を積み上げた。

日本と同様、不動産バブルはより根本的な問題の一部にすぎない。1976年に毛沢東が死去したとき、同氏は中国を140カ国中2番目に貧しい国にした。それに対して鄧小平は、日本やシンガポールのアドバイザーに助言を求め、受け入れ、「日本とシンガポールの特徴を持つ社会主義」を作り上げた。習近平がその“レシピ”を放棄したことが、中国最大の問題である。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT