中国経済がスベったのは日本化できなかったから 習近平は成長を政治理由で鈍らせてしまった
不可欠な要素の1つは、日本型の産業政策——すなわち、国家による近代産業の振興と、民間企業による競争を通じた効率化の追求という組み合わせ——だった。2018年までに、毛沢東政権下で唯一の合法企業であった国有企業は、都市部の雇用と輸出のわずか12%、企業投資のわずか3分の1を占めるにすぎなかった。
国有企業はけっして経済の奇跡を生み出すことはできなかった。半数近くが定期的に赤字を出しており、経済が縮小する原因となっている。黒字の国営企業でさえ、投資1元あたりの成長率は民間企業より低い。
習近平は国有企業の優位性を復活させようとしている。習近平が就任する前の2012年には、銀行融資の32%しか国営企業向けではなかった。2016年には、国有企業への融資は83%に達した。習近平はなぜこのようなことをしたのか?中国共産党は、私企業が権力の別拠点になることを懸念しているからだ。
外資系の力を借りるプロセスは進んだが
同様に不可欠なのは、技術を移転し輸出を促進する外資系企業の役割である。日本と同様、輸出が工業化をリードしなければならなかった。中国の人々はまだ貧しく、近代的な工場製品を買うことができなかったからだ。
残念ながら、中国はまだ世界市場で競争することができなかった。シンガポールはその解決策を提供した。外資系企業を中国に誘致し、製品を製造・輸出させたのだ。
2000年までに、外資系多国籍企業は中国の輸出品の半分、特にハイテク製品を生産するようになった。外資系企業はコンピューター製品の100%を輸出したのに対し、衣料品は40%だった。このプロセスは、これらの輸出品の内容の80%を供給するすべての新しい民間企業、さらには無関係の企業にノウハウを移転した。
一方、習近平は中国を孤立させたいわけではないが、外国の技術や企業への依存度を下げれば、中国はより安全になると考えているようだ。また、中国はもはや外国の技術を以前ほど必要としていないとも考えている。
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