中国の輸出攻勢が問題になる一方で経常黒字は縮小。その謎を解明する。
中国の国際収支が、英語圏のエコノミストの間で物議を醸している。例えば、2023年の10〜12月期と2024年の1〜3月期、中国の経常黒字は続けて縮小した。EV(電気自動車)や太陽光パネルの輸出攻勢が大きな国際問題となっていることを考えれば、これは不自然な動きである。
8月に公表されたIMF(国際通貨基金)の中国経済に関するリポートでは、中国のアウトバウンド観光の改革と人民元安による交易条件の悪化によるものではないか、と分析している。
この解釈に真っ向から異を唱えているのが、米財務省の元国際経済分析担当次官補ブラッド・W・セッツァーだ。彼の指摘によれば問題の本質は、国家外貨管理局が発表する公式の経常収支における黒字額が、中国の税関統計を通じて推計された(より実態を反映している)経常収支の黒字額を下回っていることにある。
しかも両者の差額は2022年以降大きく拡大している。なぜこのような事態が生じるのか。皮肉なことに、その秘密はIMFの同じリポートの補論に詳しく記されているという。
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