中国は南シナ海で、実力部隊の配置や他国のアクセス拒否など動きを活発化させている。
中国が南シナ海における活動を活発化させ、同海域の支配を進めようとしている。南シナ海の現場で行動しているのは人民解放軍の海空軍および海警局の艦船や航空機である。
2025年1月1日、中国中央テレビなどは海警局の巡視船「3303川山」がスカボロー礁周辺海域で国旗掲揚の儀式を行ったと報じた。スカボロー礁および周辺海空域に対する中国の主権を中国内外に誇示するため、ことさらに報じたものと考えられる。
海空兵力を投入して、排除姿勢を鮮明に
また同月には、人民解放軍南部戦区が、他国の艦艇や航空機がスカボロー礁の領海や領空に進入するのを防止するために海空兵力を派出したと報じられた。スカボロー礁に対する領有権を誇示し、同礁の「領海」や「領空」への「侵入」や「侵犯」を実力で排除する姿勢を示したことになる。
中国はスカボロー礁における軍事行動を正当化するための準備を行ってきた。2024年11月10日、中国政府はスカボロー礁の領海基線に関する声明を発表。環礁を島だと主張し、同礁を「中国固有の領土」であると主張しているのだ。
さらに、同年12月2日、国連中国代表団は、国連に対して「中華人民共和国政府のスカボロー礁の領海基線に関する声明」および関連する海図を提出したと発表した。同声明は国連のホームページに掲載されるとした。
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