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「共産党最優先」の習近平は中国にとって有害だ 対中「関与政策」を主導した元世銀総裁を直撃

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対中政策をめぐる言動で、多くの注目を集めたゼーリック氏。今の中国、そして世界ををどう見ているのか。

国務副長官時代は「親中派」と見られることもあった同氏。中国経済への失望と期待を包み隠さず語った(撮影:尾形文繁)

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2000年代~2010年代前半における対中関与政策において、重要な役割を担ってきたのがロバート・ゼーリック氏だ。ブッシュ(子)政権ではアメリカ国務副長官などを歴任し、世界銀行グループで総裁も務めた。12月中旬に来日した同氏に、これからの米中関係やアメリカ政治の情勢などについて、単独インタビューを行った。

台湾、インド、アメリカで起きる選挙の波

――2024年は1月の台湾総統選挙に始まり、11月にはアメリカの大統領選挙もあるなど、世界的な選挙イヤーです。国際情勢の行方をどのようにみていますか?

台湾の総統選は、野党の候補者が一本化できなかったこともあり、今のところ与党・民進党の頼清徳・副総統が優勢だ。頼氏は過去に、台湾はすでに主権独立国家だと述べており、中国共産党としてはとうてい受け入れがたい。北京政府は総統選の行方を懸念して見守っているはずだ。

ロシア・ウクライナ戦争をはじめ、世界ではかつてなく地政学リスクが高まっている。総統選の後に台湾で有事が起きたらどうなるか、海上交通は守られるのか。かつてアイゼンハワー元大統領が軍司令官だったときに、「計画は役に立たないが、計画こそがすべてである」と述べたように民間企業をはじめ、われわれはその動向を注視しなければならない。

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