アメリカと中国は世界地図の上で陣取りゲームを行っているかのようだ。実際に自国の領土とするわけではないが、自国の影響力が及ぶ国や地域を取り合っているように見えるのである。
太平洋島嶼国もそうした舞台の1つだ。中国が太平洋島嶼国を影響下に置けば、オーストラリアなどへのアメリカの軍事的アクセスを遮断できるかのような印象を与えてしまう。アメリカが関与度を低下させた間に、中国はソロモン諸島などと、直接投資等の経済的関与を背景に協力関係を強化した。
アメリカも巻き返しを図る
米バイデン政権は中国の同地域に対する影響力の拡大を懸念し、自らの影響力の回復あるいは拡大を図っている。例えば、今年9月25日、バイデン大統領は「太平洋諸島フォーラム」の首脳らをホワイトハウスに招き、その会議に合わせて「アメリカはクック諸島とニウエを独立した主権国家として新たに承認し、外交関係を樹立する」と発表した。
中国の影響力拡大は太平洋島嶼国にとどまらない。中国の影響力はモルディブを含むインド洋からアフリカ、中東にも及ぶ。8月22日から3日間、南アフリカのヨハネスブルクで開かれたBRICS首脳会議では、ロシアのプーチン大統領が欠席したこともあり中国の存在感が際立った。
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