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新たな国際秩序創りに邁進する中国。日本外交は中堅国によるミドルパワー連携を構想せよ

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中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)の開会式で習近平国家主席の書簡を読み上げる中国の王毅外相(写真:共同)

2025年6月、アメリカがイスラエルとイランの武力衝突に参戦した。米軍が地下貫通型の大型爆弾「バンカーバスター」でイラン核施設に攻撃を行ったことに世界中が強い衝撃を受けた。人々が中東に目を奪われているさなか、新たな国際秩序の構築に向け、戦略的かつ周到に動き続けている国がある。中国だ。

6月10日から12日にかけ、中国湖南省長沙市で中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)成果実行調整者閣僚級会議が開催された。フォーラム加盟国の閣僚級高官100人余りと、アフリカ連合(AU)代表、アフリカ各国の駐中国使節らが出席した。

11日、習近平国家主席は「共同発展経済パートナーシップ協定」の締結を通じて、外交関係のあるアフリカ諸国53カ国を対象に100%の関税品目にゼロ関税措置を実施することを表明した。

重要なことは、この措置がアフリカから申し入れたものではなく、中国による自主的な開放政策である点だ。2024年9月の中国・アフリカ協力フォーラム北京サミットにおける成果の実行を一層強化し、「新時代における全天候型の中国・アフリカ運命共同体」の構築を進める具体策である。

相互関税ならぬ相互利益

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