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昔は「中国経済は崩壊する」と言っていたのに、今は中国の「強さ」を強調。トランプ関税の批判や擁護で勝手な中国像を語るアメリカの学者たち

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トランプ関税をめぐり、賛否が激しく分かれるアメリカで、経済学者たちが中国を議論のネタにしている。

トランプ関税をめぐりアメリカでは保守とリベラルで議論が沸騰している (写真:Pete Marovich/The New York Times)

米中間の報復関税合戦がようやく小休止を迎えている。アメリカは145%、中国は125%の関税をそれぞれ相手国からの輸入品に課したが、5月10〜11日にアメリカのベッセント財務長官らと、何立峰副首相はスイスのジュネーブで閣僚協議を実施。互いに課した追加関税を115%引き下げ、うち24%分は90日間の暫定的な停止とし、その間により包括的な合意に向けて協議することで合意した。

しかし、依然として米中間の溝は深く、なかなか最終的な着地点を見いだせない状況が続きそうだ。

中国経済は没落すると言っていた学者ら

トランプ政権による高関税政策はアメリカ国内で侃々諤々の議論を巻き起こした。とくに自由貿易を支持する主流派の経済学者は、米中の報復合戦は結果として中国を利することになると警鐘を鳴らした。

例えばピーターソン国際経済研究所所長のアダム・ポーゼンは、『フォーリン・アフェアーズ』のコラムの中で、この貿易戦争におけるエスカレーションドミナンス(敵に対し、一方的に多大なコストを課すような方法で紛争をエスカレートさせる能力)は中国のほうにあると指摘。アメリカが膨大な犠牲を払って中国との戦いに挑んでも、勝てる見込みはほとんどないだろうと結んでいる。

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