中国の車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)の協力で米フォード・モーターがアメリカ国内に建設する工場計画の停止が明らかになった。背景にあるのは圧倒的な技術力を持つ中国企業に対するアメリカ社会の警戒感だ。EV(電気自動車)の領域でもデカップリングが進みそうだ。
CATLはEVの車載用電池の領域で世界をリードする技術力を持つ。2023年8月、低電圧での超急速充電が可能で、10分間の充電で400キロメートル走行できる高性能の車載電池を開発。EVの弱点とされる充電時間の長さを克服する画期的な技術と評価されている。
また同社のリン酸鉄リチウムイオン電池は高価な希少金属を使わず、価格競争力が高い。電池の開発・生産に特化し、1万8000人の研究開発人員を擁する体制は圧倒的だ。
「一時的停止」だが先行きは不透明
フォードは2023年2月、35億米ドル(約5200億円)を投じ、CATLの技術供与でミシガン州に車載電池の生産工場を建設、2026年に生産を開始する計画を発表した。しかし9月下旬、この計画は中断。フォードは「一時的な停止であって、中止ではない」としているが、先行きは不透明だ。
停止の理由は明らかにされていないが、中国企業への技術依存に対するアメリカ社会の警戒感をおもんぱかった結果との見方が強い。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら