フォード「ミシガン州EV電池工場」建設中断の裏側 中国CATLとの提携に対し、米議会から懸念の声

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フォードはCATLとの提携をテコにEVシフトを加速するもくろみだったが、目算が狂った(写真はフォードEVのイメージ、同社ウェブサイトより)

アメリカ自動車大手のフォード・モーターは9月25日、アメリカのミシガン州で進めていた車載電池工場の建設を一時中断すると発表した。この工場は中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)との提携を通じて、生産技術のサポートを得ることになっていた。

工場の建設計画はフォードが2月13日に発表。35億ドル(約5202億円)を投じて、EV(電気自動車)約40万台分に相当する年間生産能力35GWh(ギガワット時)のリン酸鉄系リチウムイオン電池の生産ラインを立ち上げる内容だった。

建設資金はフォードが100%出すが、CATLが建設準備や(完成後の)工場運営に参加し、車載電池の特許技術も供与する形で協力、2026年の量産開始を目指していた。

EV優遇税制の対象外に?

フォードは、この投資計画に関する最終決定はいまだ下されていない、としつつも「競争力のある工場経営ができるという確信を得るまでは、関連プロジェクトへの支出を制限する」としている。

アメリカのバイデン政権は2022年8月、EV関連産業の支援も盛り込んだ「インフレ抑制法」を成立させた。これにより2023年以降、アメリカの消費者が条件に適合したEVを購入する場合、1台当たり最大7500ドル(約111万5000円)の税金の減免措置を受けられることになった。

ただし優遇措置の対象となるには、EVに組み込まれる車載電池や電池材料の一定比率以上をアメリカ国内またはアメリカと自由貿易協定を締結した国で生産しなければならない。さらに、アメリカ政府は中国企業を「問題のある事業体」に指定し、その製品を優遇対象から外す可能性もある。

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