太平洋の島嶼国に中国が急接近。その目玉となるのは警察協力だ。
1月13日の選挙で、台湾では民進党の頼清徳候補が総統に当選した(立法院では第二党に転落)。その直後の15日、タイミングを狙ったようなニュースが飛び込んできた。台湾を外交承認していたナウルが、中国との国交樹立を発表したのだ。26日にはツバルの選挙で親台湾派の現職首相が敗れた。同国も近々、中国との国交に乗り出す可能性が高い。
だがこうした動きを、中国の台湾いじめの文脈のみで理解していると全体像を見失う。1月半ばにはパプアニューギニアの首都で大規模な暴動が発生した。月末には同国の外相が、中国と安全保障協定の締結を交渉中だと認めた。中国は2023年9月に、訓練、装備、監視技術の提供を含む警察協力を申し入れてきたという。
中国とアメリカ陣営の綱引き
2022年4月に中国がソロモン諸島と、やはり警察協力を含む安全保障協定を締結してから、中国とアメリカ、オーストラリアとの間では太平洋島嶼国をめぐる綱引きが続く。
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