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中国にとって容認しがたい台湾社会の"構造変化" 選挙結果はまだ納得できるものだったが……

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台湾の民意は複雑だ。

総統選挙に勝利し喜ぶ頼清徳氏
支持者を前に喜ぶ頼清徳氏。ただ、立法院の苦戦で引きつった笑顔だ(写真:Lam Yik Fei/The New York Times)

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有事の発生を懸念する海外各国から見ると、1月13日に行われた総統と立法委員(国会議員)の選挙における台湾の選択は、たいへんわかりづらいものとなった。

「民主主義を大切にする立場を世界に示した」

民主進歩党(民進党)の頼清徳候補は支持者や世界から集まった報道陣を前に、高らかに勝利を宣言した。民進党は2016年から8年間、蔡英文総統の下で政権与党の座に就いている。米国と密接に協力して台湾への圧力を強める中国に、屈しない姿勢を示してきた。

頼氏は自身の当選について「国家が正しい道を歩み、方向を変えたり、古い道に戻ったりしないことを意味する」と強調。蔡政権の路線が引き継がれることになった。同一政党が3期連続で政権を担うのは、1996年に総統の直接選挙が始まってからは初めてとなる。

笑顔を見せたのは一時

今回の選挙で民進党は蔡路線継続の是非を有権者に問うた。それに対して最大野党の中国国民党(国民党)は、蔡政権は親米一辺倒で中国との緊張が高まって戦争が近づいたと主張。中国との対話の姿勢を打ち出して、台湾の人たちに「この選挙は戦争か平和かを決めるものだ」と訴えた。

当確後に頼氏は「民主主義を守ることができた。私たちは『台湾』を世界で知られるキーワードにした」と興奮気味に語った。蔡政権の路線が成果を出しており、それが支持されたという見解だ。

しかし、集会で頼氏が笑顔を見せたのは一時(いっとき)だった。立法委員選挙の情勢が明らかになるにつれ、居並ぶ民進党幹部たちの表情も、厳しいものに変わっていく。

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