近年、クリエーティブやビジネスの場面でのAI活用が増えています。AIには効率的で素晴らしい面がある一方で、問題点も山積みです。ビジネスデザインを専門とする野々村健一氏は、実はAIを使う側の人間にこそ状態のケアが重要だと語ります。
※本稿は野々村氏の新著『問いかけが仕事を創る』から一部抜粋・再構成したものです。
AIは「クリエーティブ」になれるのか?
クリエーティビティーとはなんなのでしょうか?
ここで唐突に、非常に大きな問いを投げかけてしまいましたが、先日講演をさせていただいた際に、このような議論になったのです。少し前までは、この部分は感覚や直感、感性といった、ある種ブラックボックス化されたエリアとして人間の聖域でしたが、今年に入ってから次のような興味深いことが起こり始めているのです。
ある写真のコンテストで優勝した作品がAIによるものだと判明したのです(作者は結果的に賞を辞退しました)。また、アーティストのDrakeとThe Weekndの声をAIを使って模倣して作成された楽曲がヒットする(その後、著作権侵害を理由に配信停止)など、「AIが作ったものは人間の感性に訴えかけない」という論調は、脆くも崩れ去りました。
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