実際、ChatGPT のようなLLMを使用した方はお気づきのように、一度で終わるようなやり取りでは生成AIのパワーを引き出すことは難しいのです。AIとの効率的なコミュニケーションの一つは、問いかけをしつつ、こちらにも問いかけてもらうことだったりします。
しかし、人間同士の問いかけあいと決定的に違うのは、そこには人の意思が込められないということです。自分自身や世の中のありたい姿、あってほしい姿などは、やはり人間同士でないと深まったり、飛躍したりしない。だからこそ、これからはあえて人間同士で議論することのクリエーティブな価値は高まるのではないでしょうか。
著書(『問いかけが仕事を創る』)では主に「How Might We……」という問いかけをピックアップしましたが、すでに多くの人たちがこの問いをAIに入力し、一緒にブレストをしていることでしょう。そして、前述のように「未来を想う」ようになれば、「What if the world was……」「What if wecould……」といった「What if……」という問いにシフトしていくことになるのかもしれません。
また、AIに問いかける方法や、そのフィードバックをどのように受け取り整理するかは、その結果の質を大きく左右する要因となります。そのベースにあるマインドセットの部分も同様です。
AI活用では「人間の」状態ケアが重要
あまり議論されていませんが、問いかける側の状態が重要なのと同様に、AIを活用するときも、自身の状態のケアが重要です。
なかでも、AIを使った情報操作や、ユーザーの心理状態に影響を及ぼすリスクは大きな懸念となっています。実際に、私たちの周りでも、生成AIによって誤った方向へと導かれる事例や、それによる悲劇が報じられています。
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