前例のないアイデアに対して否定的になる日本企業は多いですが、それでは良質な「問いかけ」によるイノベーションは生まれません。あるアイデアが「本当に可能なのか?」と考えるとき、会議室での議論の前に、完璧でなくていいから「とりあえず」作ってみればいいのです。ビジネスデザインを専門に手掛ける野々村健一氏が解説します。
※本稿は野々村健一氏の新著『問いかけが仕事を創る』から一部抜粋・再構成したものです。
日本企業は「曖昧なこと」が苦手
「不確実な状況を楽しむ」「曖昧であることを楽しむ」──誤解を恐れずに言うと、これは日本企業が最も苦手とするところの1つだと思います。
「落としどころはどこなの?」「前例はあるの?」「なんでうまくいくと言えるかがわからない」など、さまざまな言い方がありますが、要は先行きが不確実な状況を「悪いこと」として糾弾することが頻繁にありますよね。
もちろん、そういうことを言いたくなるには理由がありますし、場合によってはこれを突き詰めないといけないこともあります。
例えば日本が大量生産競争に追いつこうとしていた時代、製造業でやらなければいけなかったことは、この不確実性といえるような「振れ幅」をできるだけ小さくし、品質を上げるということでした。これに関して日本は見事に世界一になったと言えます。ただ、そこから生まれるものは、あまり創造的な問いかけとは言えません。
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