一方で、イノベーションに取り組んでいったり、問いかけることを頻繁に繰り返していくと、多くの曖昧さや不確実性と意図的に向き合っていくことになります。これは、私たちが数十年ほど正しいと思ってきた仕事の基本動作とはかなり異なります。
私が紹介している「問いかけ」も、ほとんどが唯一解のあるものではありませんし、オープンエンディッド(「AかBか」ではない、オープンな問い)なものがいいと言っているくらいですが、人によってはそれを“曖昧”と捉える可能性があります。
でも、それでいいのです、ここでいう問いかけは「問い詰め」ではありません。人間の想像力は余白があるからこそ発揮されるものなのです。
「フワフワした話」を恐れすぎていないか
多くの組織は不確実性を極度に恐れていることは先ほど述べましたが、この状況がさらに進行してしまうと、明確な“病状”が現れます。
例えばその1つは、「フワフワ恐怖症」です。「なんかフワフワしたロジックなんだよね」「なんだかフワッとしててすみません」──実はこうした言い方がされるのは、日本だけではありません。欧米でもこうしたことを“Fluffy”などと表現しています。
人間は(一部の人を除いて)基本的にはリスクを回避しようとする生き物なので、抽象度が高く、具体的ではないものに一種の恐れを抱きます。先述の「存在意義」についても、かなりフワフワした話として「ビジネスには無価値」と言い切ってしまう人もいるくらいです。
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