しかし、こういった抽象度の高そうなものこそしっかり考えなければいけません。「いい問い」が浮かばないからです。逆に言えば、「問いかけ」のようなものを大切にしている組織は、このような「フワフワ」した話も大切にしています。
「フワフワ恐怖症」と並び、さまざまなところに蔓延している危険な病状が「思考停止的2元論」です。
「AがあるからBがある、BがあるからAがある」というのは一見するとシンプルなロジックに見えるのですが、現在のビジネスの現場で用いられるこうした2元論の多くは、最終的には「鶏と卵だね」というようなコメント(これだけ聞くとなぜかちゃんとしたことを言った風なのですが……)で終止符が打たれます。
マーケットがないから売れない、売れないとマーケットは生まれない、たくさん売れないと価格は下げられない、価格を下げられないとたくさん売れない──さまざまなところでこのようなロジックは顔を出します。これはすなわち「A or B」しかないという、視野を極端に狭めた状態での論理構築です。実際には世の中にはCもDもEもKもZも存在していますよね。
「問いかけ」は曖昧さを許容する
「問いかけ」をしていくことは、このような創造的曖昧さを許容していくことでもあります。
さて、端的に言うと「不確実性を楽しむ」とはどういうことか、それは「自分たちの手で創造することができるかもしれない可能性を楽しむ」ということです。
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