不確実性を恐れる日本企業に伝えたい解決の近道 「フワフワ」した話もビジネスには重要だ!

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「作る」といっても、完璧なものを作る必要はありません、まずは不完全なプロトタイプで十分です。自分たちが考えていた「問いかけ」がおぼろげにカタチになったとき、そしてそれが初めてユーザーの前に出されて、なんらかの前向きなフィードバックを得られたときの作り手側の空気の変わりようは、何回見ても目を見張るものがあります。それくらい、「プロトタイプを作る」ことには効果があります。

私がIDEOの一員になるきっかけの1人だった元IDEOパートナー兼グローバルマネジングディレクターのディエゴ・ロドリゲスの言葉を借りれば、「プロトタイプとは、カタチにした問いかけだ」ということになります。

余談ですが彼は、現在私が専門としているビジネスデザインという領域をIDEOの中に確立した人間です。今でこそビジネスデザインという言葉は一般的にも使われるようになりましたが、彼は、デザイナーのようにビジネスを考えるというアプローチを2000年代初頭にIDEO内に定着させました。

プロトタイプは会議にも勝る

プロトタイプを作ることの重要性については、IDEO創設者のデビッド・ケリーの「百聞は一見にしかず、というのであれば、プロトタイプは1000のミーティングの価値はある」という言葉もあります。

日本で社屋や社内空間のデザインについて相談を受けるとき、よく「会議室が足りない」という悩みをお聞きします。日本企業では、静かで長い会議がたくさんあります。私が提案するのは、そうしたすでにある会議の中の1つでもいいので、プロトタイプを作る、あるいはそれを囲んでディスカッションをするようなセッションにしてみたらどうか、ということです。

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