一方で、松本さんと同じような状況に遭遇した場合、首尾一貫感覚の高い人はどのように考えるでしょうか。
いかがでしょうか。両者には大きな違いがあると思いませんか。
まず、首尾一貫感覚の高い人は、「今は慣れていないだけ」と自分の状況を俯瞰(ふかん)的に見ることができています。また、どのようなルールや評価で動いているのかを探ることで今後の展開を見通そうとしています(把握可能感)。
そして、これまでの経験から、「今回も時間はかかるけどなんとかなるだろう」と思えています。「前の部署の先輩に聞く」と人脈を活用することもできています。
加えて、息抜きをしたり、アドバイスをもらえたりする友人もいます。こうした人脈や経験があることで「なんとかなる」と思えています(処理可能感)。
また、この経験はつらいし、嫌なことも多いけれど、乗り越えれば「自分は成長することができる」と、意味のある経験としてとらえられています(有意味感)。
このように、首尾一貫感覚の高い人とそうでない人とでは、同じ状況にありながら、まったく違う精神状態です。
「つらい。どうしたらいいかわからない」と落ち込む人もいれば、「今はちょっとつらいけど、なんとかなる」と前向きにとらえられる人もいるのです。
人生100年時代、働く期間も長くなっています。働く期間が長くなったぶんだけ、予期せぬピンチやストレスの大きい出来事にみまわれる確率は増えます。
働く人生をうまく生き抜くためにも、首尾一貫感覚は役に立つと言えるでしょう。
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