仕事が頭から離れず「心が休まらない」根本原因 ストレスフルな現代を生きるヒント「首尾一貫感覚」

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職業性ストレスモデル(出所)『過酷な環境でもなお「強い心」を保てた人たちに学ぶ 「首尾一貫感覚」で逆境に強い自分をつくる方法』

把握可能感(だいたいわかった)という楽観的な気持ちを持つ

ここから首尾一貫感覚の3つの感覚に焦点を当てながら説明していきます。まずは把握可能感(だいたいわかった)を高めるにはどうすればよいでしょうか。

私のところへ相談にきたBさん(男性30代後半)は、人前に立つと極度に緊張し、恐怖を感じてしまうという悩みを持っていました。カウンセリングを実施すると、Bさんの心身状態は〝社交不安症〞の傾向があることがわかりました。社交不安症は、「自分は他人から愚かだと思われている」というように、他者からの評価が極端に気になり、身近でない人にかかわることに強い不安を感じる病気です。これは首尾一貫感覚で考えると把握可能感が極端に低い状態ともいえます。

Bさんは、会議で発表する前は「失敗したらどうしよう」という不安に飲み込まれていて、発表中も頭が真っ白になっています。「失敗したら終わり」という考えに支配され、把握可能感が低くなり、目の前が真っ暗になって未来が見えなくなっています。

このような場合に把握可能感を高めるには、想定問答を作るなど準備を万全にして発表に臨む、何度も経験して慣れる、という方法があります。Bさんがまずやるべきことは、完璧主義の考え方が自分に染みついていると自覚することです。そのうえで、自分は最低限なにを求められているのかを考え、100点満点を目指さないことです。

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