仕事が頭から離れず「心が休まらない」根本原因 ストレスフルな現代を生きるヒント「首尾一貫感覚」
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「どんな人生にも意味がある」と説いたフランクル心理学と、その影響を受け、アーロン・アントノフスキー博士が提唱した「首尾一貫感覚」。
ストレスマネジメントの専門家、舟木彩乃氏が逆境に強くなるポイントを解説した著書『過酷な環境でもなお「強い心」を保てた人たちに学ぶ 「首尾一貫感覚」で逆境に強い自分をつくる方法』から、「首尾一貫感覚」を使って困難な状況にどのように対処していけばよいのかについて、実際のカウンセリング事例をもとにわかりやすく紹介します。逆境においても「首尾一貫感覚」という概念で整理していくと、自分の置かれた状況がクリアになり、解決の方向性が見えてくる。
首尾一貫感覚を高めるには
実際のカウンセリングをもとに、どのようにして首尾一貫感覚を高めていけばいいのか見ていきます。
Aさん(女性30代前半)は、「仕事のことが頭から離れず、心が休まるときがない」という悩みを持っていました。他の人に相談しても「気にしすぎだよ」と軽く流されるだけ。帰宅後も休日も、仕事や職場の不安でいっぱいになり、心が休まるときがないそうです。Aさんはどうしたら、もう少し安定した心を持てるのかと考えていました。
Aさんがこのような状態になってしまった一番大きな原因は、Aさんが〝今〞に集中できておらず、本来の自分を見失っていることです。過去を悔やんだり、良い未来を描けず不安になっていたり、〝今〞ではなく過去や未来に支配され、人生の時間軸の中で今いかにあるべきかがつかめていない状態です。
こういうときは、自分の置かれている環境を客観的に把握できていないことが多いです。まずは、自分を取り巻く環境について、整理することから始めます。首尾一貫感覚を構成する3つの感覚をもとに、環境を整理しましょう。
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