和田秀樹「60代以降に衰える人・衰えない人の差」 急に怒り出す人が増えるのは前頭葉萎縮が原因

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60代以降は個人差が大きく開くようです(写真:8x10/PIXTA)
「人生100年時代」と言われるようになり、シニア世代に入ってからの人生を心配する人が少なくありません。60代以降はどのようなことに直面することになるのでしょうか。高齢者専門の精神科医として6000人以上の患者を診てきた和田秀樹さんの著書『60歳からはやりたい放題』から一部抜粋してお届けします。

『サザエさん』の磯野波平が54歳である衝撃

アンチエイジングや健康情報がたくさん飛び交う現代、現代人の外見は大きく変わりました。外見だけでいえば、数十年前に比べると日本人の外見は圧倒的に若返っていると感じます。

たとえば、漫画『サザエさん』(朝日新聞出版)に登場するサザエの父親・磯野波平は、原作では54歳の設定です。現代の私たちから見ると、まるで初老の男性のように見える波平ですが、おそらく昭和の時代に54歳の男性といえば、彼のような風体が一般的だったのでしょう。

しかし、2022年時点で、54歳といえば、織田裕二さんや天海祐希さんなどが同級生になります。織田さんも天海さんも54歳とは思えないほどお若いですが、現代人にとっては、織田さんや天海さんが54歳であることより、むしろ「波平が54歳」であるという事実に驚くのではないでしょうか。それほどまでに、現代人の見た目は若返っているのです。

この数十年での日本人の生活様式や日常の環境の変化が、日本人に多大なアンチエイジング効果をもたらしているのではないかと思います。

ただ、見た目が昔よりも若返る一方で、心では昔と変わらずさまざまな老化現象が起きます。その一つが心の病気です。実は高齢になるほど、心の病気にはかかりやすくなります。

65歳以下の場合はうつ病にかかる割合は3%ほどだといわれていますが、65歳を超えると5%にアップします。その理由の一つは、年齢とともに心を安定させる「セロトニン」という神経伝達物質が減少するからです。つまり、60代になったら、20人に1人の割合でうつになる可能性を覚悟する必要があります。

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