仕事が頭から離れず「心が休まらない」根本原因 ストレスフルな現代を生きるヒント「首尾一貫感覚」

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首尾一貫感覚を構成する3つの感覚

◎把握可能感(だいたいわかった)——自分の置かれている状況や今後の展開を把握できると思うこと

◎処理可能感(なんとかなる)——自分に降りかかるストレスや障害に対処できると思うこと

◎有意味感(どんなことにも意味がある)——自分の人生や自身に起こることにはすべて意味があると思うこと

首尾一貫感覚を意識した質疑応答

Aさんに3つの感覚を意識した質問を投げかけると、次のような回答でした。

———把握可能感に関する質問
 このような不安な状態はいつまで続くと思いますか? あなたを苦しめている毎日起こる〝嫌なこと〞の正体は、具体的になんですか?

———Aさんの回答
 ペアを組んでいる先輩の指示が、気分によってコロコロ変わるんです。先輩の機嫌が悪いと、指示通りに作成した資料を持っていってもやり直しを命じられ、理由を聞いても「忙しいから自分で考えて」と言われます。そのせいで、いつも先輩の顔色をうかがっています。先輩と同じチームでいる限り、この状態は続くと思います。

———処理可能感に関する質問
 今のあなたには、どんな助け(人、情報など)が必要ですか? あなたを助けてくれそうな人や情報は見当たりますか?

———Aさんの回答
 先輩に意見してくれる人に相談がしたいです。そして仕事のことを考えない時間がほしいです。

———有意味感に関する質問
 あなたが抱えている問題や課題と向き合うことに、意味や価値を感じますか? どんな状態の自分でありたいですか?

———Aさんの回答
 正直、先輩の顔色をうかがいながら仕事をすることに意味を見出すことはできません。仕事の仕方を改善し、能力を伸ばしながら成長していけるような環境に身を置きたいです。

Aさんの状態は3つの感覚すべてが低い状態であることがわかります。

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