「高校3年生のときの家庭教師の教え方が合っていて、その人を信用していました。母親は『ほっといたら遊ぶから予備校行かなあかん』という意見でしたが、先生は『お前は予備校に行ったって伸びへんで』って言っていたんです。私は先生のほうを信用していたから、宅浪を選びました。今考えると、当時の私はもし予備校に行っていてもレベルにあってない授業を受けて勉強した気になっていただけだったと思うので、先生は私の性質をうまく見抜いていたと思います」
こうして国立大学の医療系学部を目指して、宅浪の1年が始まりました。
まず、まおさんは1浪目の前半を、自分自身を分析する期間に充てたそうです。
「私は昼の楽しい時間に勉強をすることが苦手な人間でした。だから、昼はレストランのホールでバイトをすることにしたんです。その代わりに、早朝に勉強しました。また10時~16時のアルバイトのシフトが終わってからは、カフェに寄って23時まで7時間ほど勉強するようにしていました」
後半の期間に入ると、センター試験の前の12月にはインプットを終えて、その後はセンター試験の過去問をひたすら解きました。
「この年は模試を受けていません。それよりもセンター試験の過去問をやることが大事だと思ったんです」
歯学部に合格できたものの…
たっぷりインプットした後に、過去問でアウトプットを重ねたこともあり、英語・数学・理科で8~9割が取れるまで成績を伸ばすことができました。本番でも国語と地理がダメで5割程度しか取れなかったそうですが、ほかの科目では高得点が取れました。そこでセンター試験の理数系の科目の得点が1.5倍となる傾斜配点の大学を探し、徳島大学の歯学部を受験して見事合格しました。
「センター試験は傾斜をかけると85%取れていました。2次試験もうまくいって、歯学部全体で2位の成績で徳島大に合格できました」
こうしていったん1浪で医療系の学部に入ったまおさん。しかし、入学してすぐにふたたび浪人を決断するきっかけが訪れます。
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