「部活が嫌で再び浪人」4浪した彼女の強い気持ち なぜ同じ大学を再び受験?現在の彼女は?

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「浪人のときに自己啓発本を沢山読んでいたのですが、自分も目標を叶えたことでその成功論を経験することができ、自信になりました」と語るまおさんは、現在、徳島大学医学部の6年生。大学を休学してYouTubeチャンネルの運営をしたり、オンライン塾・個別塾を立ち上げるなど、受験生のためになる活動に力を入れています。

浪人 医学部
現在のまおさん。YouTubeチャンネルも開設(写真:まおさん提供)

「私は自分が浪人をしているときや大学に入ってから、大手の塾にアルバイトでお世話になってきました。しかし、その中で大手塾のシステム化されている仕組みに違和感を覚えたんです。学力が高い子たちが学力をさらに伸ばすサポートをしてもらっている一方で、学力が低い子たちは授業料を払ってくれる“捨て駒”となり、見捨てられていると思いました。その仕組みをどうにかしたいと思ったので、学力が伸びない人たちの力になりたいと思って、自分で授業や支援の仕組みを設計して、徳島の方に出資をしていただき個人塾を立ち上げました」

医師と、経営・広告の勉強を掛け合わせたい

また、その傍ら、東京のベンチャーキャピタルでインターンをしつつ、徳島の中小企業で契約社員もしながらマーケティングの勉強をしているようです。

「自身が塾の経営をしているうちに、広報や広告にも興味を持ったので、東京と徳島を行ったり来たりする生活を続けています。医学部に入ってからも大学の環境自体は変わりませんでしたが、部活には所属せずに塾運営や仕事の環境に入ることで、歯学部時代と環境を変化させることができました。それも浪人生活の間に、『周りに流されず自分のしたいことを経験する』大切さを学んだゆえの変化だと思います。

今は大学を休学してこういうことをしてはいますが、医師国家試験を受けて医者になるつもりではあります。そのために今は、臨床医をしながら、経営の経験や広告の勉強を生かし、掛け合わせられないかを考えています。自分は長い間悩んできた人間ですが、『考え方と行動次第で悩まなくなる』という自身の経験を伝えていくことで、困っている人や、もがいている人の力になれる活動をしていきたいと思っています

彼女は4年の浪人生活で、自身と違う立場の人の目線で物事を見ることを学んだのだと思いました。

濱井 正吾 教育系ライター

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はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

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