勉強を「楽しめない人」「楽しめる人」の決定的な差 「その瞬間」を味わえた人だけが知っている条件

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僕は、数学に同じような楽しさを感じます。複数の情報を組み合わせて1つの答えが出たときに、満ち足りた気分になれるのです。

「まるでパズル!」な東大入試問題

例えば東大の入試で、こんな問題が出題されたことがあります。

「3以上9999以下の奇数aで、a^2-aが10000で割り切れるものをすべて求めよ」

この問題、一見難しそうに感じますが、実はパズルのピースを整理して考えていくと答えが見えてくる、楽しい問題です。

そもそもa^2-aというのは、「a×(a-1)」なので、隣り合う2つの数であることがわかります。aが301だったらa-1が300、という感じで、「隣り合う2つの数の掛け算の答えが10000で割り切れるもの」を求めるというだけなんですよね。

そして、10000を分解すると「10000=10×10×10×10=2×2×2×2×5×5×5×5」で、10000は2を4回と5を4回掛け合わせた数だと言えるわけです。

ここで止まってしまうと答えが出ないのですが、「aが奇数」という問題文の情報を使うと答えが見えてきます。aは奇数で、その前のa-1は偶数になりますね。

aは奇数、a-1は偶数。その2つの数字を掛け合わせた答えが、2を4回と5を4回掛け合わせた数で割り切れる。ということは、偶数のa-1が「2を4回掛けた数=16の倍数」であるということがわかります。

そこから少し計算すると、奇数のaのほうは「5を4回掛けた数=625の倍数」だとわかるのです。625の倍数で奇数のものは、9999までで7個しかありませんから、この7個を確認していけば答えが出ます。答えは625だけになります。

このように、与えられた情報から1つの答えを出していく、「答えがハマる瞬間」が楽しいと言えるでしょう。

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