勉強を「楽しめない人」「楽しめる人」の決定的な差 「その瞬間」を味わえた人だけが知っている条件
逆に思考的のほうは、答えが1つに定まらない問いに対して、さまざまな思考を巡らせて楽しむことができます。
「日本では礼儀作法が重んじられるわけ」を考える
例えば、日本は「礼儀作法」がとても重んじられる文化の国ですが、なぜ、こんなにいろんな「礼儀作法」があるのでしょうか?
この問題にはおそらく、唯一絶対の「正解」はありません。でも、例えばこんなふうに「思考する」ことはできます。
まず、同じように礼儀作法に対していろんなルールがある国として、イギリスが思いつきます。イギリスと日本の共通点を考えれば答えが見えてくるのではないでしょうか。
そう考えたとき、仮説の1つとして考えられるのは、立憲君主制であるということです。君主がいて、その力が強大であり、その君主に対して礼節を持って接しなければならないからこそ、敬語やルールが生まれる、ということです。
古文の勉強をすると、敬語の中にも「天皇や皇太子に対してのみ使う最高敬語」があるのに気づきます。このように、尊敬すべき存在がいて、その力が強大だと、言葉や文化としてのマナーが生まれやすいと言えるでしょう。
別の仮説も成り立ちます。それは、人種的な同質性です。
もちろん日本もイギリスも同一の民族で形成されているわけではありませんが、アメリカが人種のサラダボウルと言われていたり、ラテンアメリカでは混血が進んでいたりすることから考えると、かなり同質性が高いと言うことはできると思います。
そうすると、人に対する「配慮」、そして「ハイコンテクストな文化」が育ちやすいです。
みなさんも、日本語を覚えたての外国人があまり敬語をうまく使えなかったとしても、怒ったりすることはないでしょう。でも、日本人の後輩がタメ口で話しかけてきたら「おいおい」と言いたくなると思います。
同じ文化的背景を共有する者同士のほうが、人間はコミュニケーションを取るときに多くを求めると言えるのではないでしょうか。配慮することを求め、礼儀作法を求め、敬語を求め、マナーを求める。そういう、コンテクストを理解すること(空気を読むこと)を求めるようになるわけです。だから、島国であり、人種的な同質性の高い日本とイギリスは、礼儀作法が求められやすかったと言えるのではないでしょうか。
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