「いい人、採用できない」嘆く企業の残念な4大盲点 「人が集まらない」"時代遅れ"企業の共通点は?

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企業が「いい人材」を採用したければ、次の4つの盲点に陥っていないか、振り返るべきでしょう。

【盲点①】採用基準がいまだに「ヒト軸」

典型的な失敗例は、「ヒト軸」に陥り、「どんな属性の人を採用するか」、学歴や年齢、いまの勤務先の規模、転職回数などから考えはじめてしまうことです。

「マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業CEO)のような天才エンジニアはいませんか?」
「地頭がよくて、30代前半で、自走できる人がいい」

などといった企業からの相談が、僕のところにもよく来ますが、このような探し方は正しくありません。

「採用で解決したいイシュー」は何なのか?

「これから採用に本腰を入れて取り組もう」という企業は、「ヒト軸」採用ではなく「イシュー軸」採用をすべきです。

そのためには、まずは「採用で解決する『イシュー』を明確にする」、そのうえで、「その『イシュー』を解決するには、どんなスキル、実績、経験、スタンスを持った人が必要か」を定義し、採用活動を行うのです。

言葉にすると簡単なようですが、これができていない企業が多いのが実情です。

マーク・ザッカーバーグのようなアイデア力と技術力を兼ね備えた天才エンジニアは、世の中にそうそういるわけがありません。

しかし、「ユーザーを拡大するためにiOSアプリ開発が必要であり、その経験やスキルがある人材」であれば、探せばいる可能性があるわけですから、「イシュー」を明確にして、「求めるスキル」を具体的にすべきなのです。

「向こう5年間で1000人くらいが定年退職をするから補充しないと」
「20代と30代の社員が少ないから増やしたいな」

くらいのざっくりな「ヒト軸採用」で何とかなるのは、「誰がやってもある程度、仕事が回る仕組みがある」「何年もかけて教育をするから、いずれ戦力になってくれればいい」といった、戦力や時間に余裕のある大企業くらいです。

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