一方、フィンランドと同様の「焼け石に水」の蒸気浴法(バーニャ)が根付く隣国ロシアでは、サウナの平均温度帯がフィンランドとは全然違い、端的に言ってメチャクチャ熱い。
100度超えも当たり前の空間で、さらに執拗にロウリュを行う文化が根付いているのだ。
そんなロシアのバーニャでは、街なかの公衆浴場でも必ずといってよいほど、深めの水風呂が設置してあり、温冷交代浴を楽しみとする人も多い(ただし、少なくとも女性側では水風呂をスルーして、お茶休憩を始める人も少なくない印象だ)。
このように、サウナ浴の一連の所作に水風呂を取り入れるかどうか……は、風土や文化によりけりだ。
水風呂が苦手だからとサウナにも苦手意識を持ってしまっている人も、「サウナの楽しみ方は必ずしも水風呂ありきではない」と考えたら、気がラクになるかもしれない。
究極の冷水浴「冬のアイスホールスイミング」も人気
とはいえ、もし「水風呂」すなわち冷水浴を行うことで、何らかの健康効果が得られると知れば、苦手意識を持った人も、少しはチャレンジしてみようと思うのではないか。
じつはフィンランドでは、究極の冷水浴ともいえる「冬のアイスホールスイミング」自体が、サウナ浴のお供としてだけでなく、健康意識の高い人たちが嗜むレジャーとして、近年大いに注目を集めている。
今日では、総人口550万人の国で約10万人のフィンランド人が、定期的にアイスホールスイミングへ通っているとも言われる。
アイスホール内の水温は、当然ながらほぼゼロ度。
放置しておけばすぐにその水面が凍って穴が塞がってしまうような究極の環境下で、初心者なら数秒から十数秒間、じっと身を屈めて耐えることから徐々に身体を慣らしてゆく。
熟練者になると、数十秒から2〜3分近く、遊泳する猛者もいるほどだ。
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