「熱いサウナ」を好む国は「水風呂」もマスト?
まず、世界のサウナ大国の入浴プロセスに目を向けてみよう。
「SAUNA」という言葉の発祥国フィンランドでは、『「水風呂にこだわる"サウナ好き"」の超残念な盲点』でも説明したとおり、サウナ室のそばに冷水を張った人工的な水風呂が設置されていることは、まずない。
人によっては、サウナ室から外気浴に出向くまでに軽く冷水シャワーを浴びるが、とくに冷水浴を挟まず、外気だけでクールダウンする人が大半だ。
これは夏でも低温低湿な気候風土も関係しているだろうが、とくにキンキンに冷えた水風呂を頭に思い描きながら我慢を重ねる必要がないほど、サウナ自体が温度帯も穏やかで十分気持ちよく、満足感を得られるから……という文化的背景もあるだろう。
ただし、湖畔に建てることの多いコテージサウナや、都会のウォーターフロントにつくられる公衆サウナの楽しみ方はまた別だ。
サウナから出たら、まず眼の前の「天然の水風呂」に浸かってひと泳ぎする光景がよく見られる。
海や湖が凍ってしまう冬に至っては、氷に穴を開けてアイスホールスイミングを行う人もいるが、さすがにこれは、国民誰もが当たり前にやっているというわけではない。
むしろ近年は屋外設置型のジャグジー風呂が人気で、サウナの合間に35度前後の不感湯にのんびり浸かりながら、水分補給をしつつ額だけで氷点下の冷気を感じる「部分外気浴」なんてのも人気なのだ。
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